ワインとチーズのマリアージュ(Wine&Cheese)

2019年03月18日 13:16


 ワインとチーズのマリアージュ(Wine&Cheese)

◎チーズとワインはベストカップル

チーズとワインは最も相性の良い組み合わせ。
フランスではこれを「マリアージュ(結婚)」と表現している。
ミルクを発酵・成熟させたチーズは、ぶどうを発酵・成熟させたワインの最良の伴侶というわけだ。

チーズとワインはベストカップル

◎チーズの名前は生産地の名前

EU諸国ではワイン同様、チーズも「原産地統制名称」を名乗ることが法律で定められている。
たとえば、日本でもポピュラーなカマンベール・チーズは、フランス・ノルマンディ地方のカマンベール村と言う村名を名乗ったチーズなのである。
ここ以外の地域で生産されたチーズには、カマンベールという表紙はできないことになっている。

*アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(仏: Appellation d'Origine Contrôlée; AOC)/原産地統制名称とは?
アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(仏: Appellation d'Origine Contrôlée; AOC)は、フランスの農業製品、ワイン、チーズ、バターなどに対して与えられる認証であり、製造過程及び最終的な品質評価において、特定の条件を満たしたものにのみ付与される品質保証である。
日本語に訳すと「原産地統制呼称」「原産地呼称統制」などとなる。
フランスの法律では、AOCの基準を満たさないものは、AOCで規制された名称で製品を製造または販売することが違法とされる。
フランスの原産地呼称委員会(Institut National des Appellations d'Origine, INAO)が管理している。
全てのAOC製品は、ラベルや製品そのものに印刷された証印によって識別される。
可能な限り不当表示を防止するため、いかなるAOC名も、そうでない製品のラベルには使用されない。
生産者の住所における地名がAOC名である場合は5桁の郵便番号をつかって代替させる。
この場合、最初の2桁の番号が県を示す。
この番号は自動車のナンバープレートなどにも使われる。
初等教育でこの県名を示す汎用番号を覚えさせられるため、ほとんどのフランス人は郵便番号だけで県名や都市名を思い浮かべることができる。

チーズの名前は生産地の名前

◎チーズの種類と、相性の良いワイン

ワイン同様チーズも、原料や生産地によって様々な違いがある。
ワインをより美味しく味わうために、色々なチーズの特色を知っておこう。

1.原料による分類

チーズの原料となるのは牛、山羊(やぎ)、羊のミルクなのである。私たち日本人には山羊や羊のミルクはあまり馴染みがないが、食べなれてくれば牛乳のチーズより、むしろまろやかだと感じるかもしれない。

チーズの種類と、相性の良いワイン

2.タイプによる分類

A.熟成を続けているタイプ

[白カビタイプ]
表面が白カビでおおわれたチーズ。
発酵時は強烈な匂いだが、熟成を重ねるうちに、白カビの作用でクリーミーでマイルドな味になる。
フランスのカマンベール(Camenbert)、ブリー、ヌフシャテルなどが体表格。
こくのあるしっかりした赤ワインから、ドライでフルーティな赤ワインまで相性は幅広い。

フランスのカマンベール(Camenbert) 

フランスのカマンベール(Camenbert)

[青カビタイプ]
内部に青いカビを繁殖させたチーズ。
塩分が強く、成熟が進むにつれて強烈な匂いを放つ。
羊のミルクを原料にしたフランスのロックフォール(Roquefort)、牛乳からつくるイタリアのゴルゴンゾーラやイギリスのステイルトンなどが有名。
フルボディタイプの赤、濃厚な白の甘口、また年代物のポートなどと良く合う。

ロックフォール(Roquefort)  

ロックフォール(Roquefort)

[ウォッシュタイプ]
表面を蒸留酒や塩水で洗って湿り気をもたせ、そこに生育する細菌と酵母によって成熟させたチーズ。
また、表面を洗うことで発酵の際に生じる粘つきが取れ、塩分が中に浸透しやすくなる効果もある。
強烈な熟成臭がするが、味わいは以外にマイルド。
フランスのポン=レヴェック、リヴァロなど。
素朴でフルーティなワインにも芳醇なワインにも良く合う。

マンステール(Munster) 

マンステール(Munster)

[シェーブルタイプ]

山羊のミルクからつくるチーズ。
熟成が進むにつれてクセのある味になるが、若いうちはクリーミー。
表面に黒い灰をまぶしたものは灰ごと食べられる。
灰は酸味を中和させる働きがあり、灰をまぶしてないものより食べやすい。
筒型をしたフランスのサント・モール(Sainte Maure)と、角錐型のヴァランセが有名。
辛口の白、ロゼ、フルーティな赤、繊細なボルドーの赤、個性的なブルゴーニュの赤に合う。

サント・モール(Sainte Maure) 

サント・モール(Sainte Maure)

[硬質タイプ]
山岳部や高原で多くつくられる。
過熱・圧搾(あっさく)して水分を抜き、長期間にわたって熟成させる。
このため、全体にコクと旨味が増し、硬質となる。
薄くスライスするが、砕いて食べる。
イタリアのパルパルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)やペコリーノ・ロマーノ、スイスのエメンタールやグリュイェールなどが代表的。
赤ワイン全般、辛口の白、またロゼににも合う。

パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano) 

パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)

[羊硬質タイプ]

圧搾するが過熱しないため、表面は硬質だが中身はソフトな半硬質タイプになる。
味わいもとても穏やか。
フランスのトム・ド・サヴォア(Tomme de Savoie)、ミモレットなど。
熟成タイプの赤、フルーティでドライな赤、白、ロゼなどのワインに合う。

トム・ド・サヴォア(Tomme de Savoie) 

トム・ド・サヴォア(Tomme de Savoie)

B.非熟成タイプ

[フレッシュタイプ]

また熟成していない発酵したてを食べるデザート感覚のチーズ。
フランスで最もポピュラーなフロマージュ・フランや本来は水牛のミルクからつくるが、現在は牛のミルクを使うことが多いイタリアのモッツァレッラなどが代表格である。
硬くて若々しい白、ロゼに合う。

ブリア・サヴァラン(Brillat Savarin) 

ブリア・サヴァラン(Brillat Savarin)

[プロセスタイプ]

何種類かの熟成したチーズを原料にして加熱・加工し、熟成を止めたもの。
マイルドな味わいで、テーブルワインやフォーティファイド・ワイン、食前酒のおつまみなどに向く。
香辛料や木の実を混ぜたもの、スモークしたものなど、バリエーションも豊富。

スモーク・チーズ(Smoked Cheese) 

スモーク・チーズ(Smoked Cheese)

◎チーズの食べ方

1.いつ食べるべきか

チーズは普通、食事の前後=デザートの前に食べる。
レストランでは大きなプレートに色々なタイプのものを盛り合わせてくれるので、食事中に飲んだワインを少し残しておき、それに合うチーズを注文するとよい。
もちろん、食べたいチーズに合わせて新たにワインを注文してもかまわない。
ヨーロッパでは家庭でも食事の前後にチーズを食べる習慣がある。
何種類かを食卓に並べ、各人が好みのものを取り分ける。

2.食べる順序

ワインとチーズの相性もさることながら、盛り合わせたチーズを食べる順序というのも味わいの大切なポイントである。
基本はマイルドなものを先に、熟成したクセのあるものほど後に。

3.パンが出てきたら

レストランでチーズを注文すると、薄切りにしたパンが一緒にサービスされる。
パンの大きさに合わせてチーズを切り(硬い皮の分部はナイフとフォークで取り除く)、パンにのせて食べる。
しかし、口の中にチーズの強い香りがいつまでも残っていると、せっかくのワインが台なしになってしまう。
パンだけを口に含んでよく噛み、口の中をさっぱりさせてからワインをゆっくり味わうのも一つのテクニックである。

◎チーズの買い方・保存法

輸入チーズはチーズ専門店か、チーズに詳しいスタッフのいるデパートなどで買うほうが間違いがない。
食べ頃のものを選び、食べ切れる量だけ買う。
家庭でチーズを保存するときは、蓋付きの容器に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
熟成を続けているチーズの場合は、冷蔵庫から出して直ぐには本来の味を発揮しないので、少なくとも食べる30分前には出しておくようにする。
保存中にチーズ本来の白カビや青カビ以外の異質なカビが生えてきたら、その部分は必ず取り除く。
その上で、ベークしてサラダに添えたり、ソースの味付け用にしたりして、なるべく早めに使い切るのが望ましい。

ワインとチーズのマリアージュ(Wine&Cheese)についてまとめてみましたけど、今日の夜はワインとチーズを?
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